近藤君にキスをされると、徐々に周りがなくなって二人きりに隔離されてしまうし、
脳みそがどっかに飛んでっちゃって、一方的に思考を壊されていくから、
私はたまに怖くなるんだけど、皆は違うのかな?
ガサツな自分では見つけ出せなかった意外と繊細な自分っていう存在、
そう、好きな人によってキャラクター変更されるらしく、
恋愛って本人にしか体験できない貴重な一ページを無意識に築いていて、
事実を誇張し、オリジナル物語の厚みがでるみたいだ。
いつもは煩く動く唇も、今はお喋りの音がない。
何も考えられなくて、何も分からないはずなのに近藤君のことしか知れなくなるのは何故?
食べられている気分になる不思議。
今から私たち――
そう意識するとドキドキした。
緊張でいっぱいだった。
中学でゆるやかに、高校生になると明らかに友達がどんどん変わっていくでしょう。
なんとなく二十歳までにというボーダーラインが女子界では暗黙の内に定められてて、
その常識を男子に教える必要はなく、永遠に秘密にする方が小悪魔だと推測される。
したくない訳ではない。
でも、――――
考えられない。
先を考える暇はなくて今が精一杯だ。
近藤君の両手に合わせて私のホッペは形作れているんだと感じるくらいしっくりするのは何故?
近藤君の輪郭が触れて私の縁を消し、二人が一体化していくと錯覚するのは何故?
たくさんの疑問を与えてくれる人に出会えた高校一年生の自分に感謝したい。



