同じ誕生石でもランクがあり、言葉巧みに気づけば良い品をオーダーしていたため高いのだとか、
文字デザインを世界に一つしかない直筆にしたため値が張るのだとか、
そうやって近藤君は奮発しましたアピールをくどく続けていて、
それが彼氏なりの愛の裏返しだと知ってしまっている私は、
「ありがとう!」と、お腹から力いっぱい怒鳴って、そのお喋りを制止してやった。
データはある。
私が恋愛に混乱して調子を狂わせたなら、
近藤君はいつだってそんな彼女の様子にときめき、顔を真っ赤にするんだ。
従って、例にならい彼氏は今、私っていう価値が安い人間に萌えているらしく、
不意に訪れたのは、含みを持たせた沈黙だった。
ホワイトデーに特別なプレゼントを貰った。
そして、クリスマス……
「……。」
目があって、キスをするんだと分かった。
私が手にしていた光るリングの箱を優しく取り上げて、私があげたピアスと一緒に右手にしまい、
近藤君は静かに二つを床に置いた。
刻まれた言葉をまだ読んでいない。
ピアスは自分がつけてあげるつもりだったし、指輪もはめてもらっていない。
躊躇いがちな瞳が好き。
遠慮気味な呼吸が好き。
ド慎重な雰囲気が好き。
クリスマスプレゼント交換はまだ途中だと、あれこれ不満に思っていたのに、
唇に初恋が触れた瞬間、そんなことどうでもよくなっていた。
ただ、頭の中にバレンタインの花が浮かんだ。



