プレゼントを渡すのは、誰かを笑顔にしたい願望ではなく、
喜ぶ相手を見て自分の気分を良くしたいためなんだなって、傲慢な感情を知った。
私にとって近藤君と付き合うのはそういうことで、彼氏よりも自分が好きで好きでしょうがないんだと思う。
イケメンな近藤洋平に溺愛される恋人の田上結衣をしている私が私は大好きなんだ。
それを中身カラッポだと引くか、それもそれでアリだと微笑ましく捉えるかが、
学生物語のアンチテーゼにはぴったりだ。
「嬉しー。ピアス付け替えよ。これもう三年ぐらいつけっぱなしなんだよ。エコボーイだろ俺」
喜々として肩を揺らす近藤君の仕種に、どれだけ私が幸せを搾取しているかを誰も知らないはずだ。
だから、「良かった。」なんて、らしくない相槌しかできない自分が恋愛っぽくて案外嬉しいのは秘密。
シングルベルを鳴らしたような軽やかな笑いに包まれた部屋は居心地が良い。
波長が合う人と運命的に出会えて、しかも奇跡的に交際できるなど、
クリスマスに酔って、もはや二人はビックドリームでしかないと信じてみよう。
「さすが俺の彼女様」
ありがとうを冗談に乗せて結ぶ近藤君の性格に、ますます惚れてしまう。
そして、「じゃあ次は田上さん番ね。女子高生らしく泣いて感動してもいいよ」と、
ロマンチックな雰囲気を壊して、
いい年なのに塗り絵でわざとはみ出してクレヨンを動かそうとする心の構造が好ましい。



