それらは花火をヘリコプターに乗って上から見ようとする熟成されたアダルトな価値観に似ていて、

ウケ狙いが趣味のクソガキな私は、

別にそんなラグジュアリーデートにドキドキときめかなくて、

近所の空き地でロケット花火の打ち上げに失敗して爆笑するアホな時間の方が大好きだ。



『一生離さない』

『愛してるよ』

『お前しかいらないんだ』

『永遠に傍に居させてくれ』


キスをする時に、女子が痺れるロマンチックに愛を囁かれたなら余裕で引くタイプで、

日常会話で乙女心が高鳴る恋人語録を挟まれたなら、なんか胡散臭いとガッカリするタイプで、

皆みたいに純愛で胸キュンできないのが、私の最大の欠点だと思う。



けれど、どこかで期待している。

甘い甘い甘い一夜に、夢がない私はナルシストな彼氏に、三流らしいお姫様扱いをされるのだと。




二十三日がクラス会、二十四日が恋人・居ない人は独り者同士の集い、

二十五日が友達または家族っていう誰かが決めた割当制度で、

クリスマスという響きは、皆を誰かに会いたがり病にする。



いわくつきの聖夜付近だけは親と疎遠でありたい複雑なハートの持ち主である女子高生をしている私が、

彼氏をどれだけ好きかと聞かれたら、なんて答えると思う?


クイズがくどい?
だとしたら、それで私っていう人間の内面の自己紹介が省けたことになるんじゃないかな。