星空刺繍


車内でまでテレビをつけなきゃ落ち着かない大人は、ゲーム機がなきゃ歩けない子供に思えて嫌なんだけど、

逃げ道として、不本意ながら俺は前方で流れる歌番組を見ていた。


雪を意識してふあふあ白いワンピースのアイドルや、あえて黒でまとめたドレッシーな歌姫、

サンタコスプレのセクシーDJや、クリスマスカラーの衣装で決めたダンスユニット、

出演者の皆さん可愛いのに、

ファンには悪いが全部田上さんの方が似合うってニヤけたりなんかして、

流行りソングを視聴する予定が、

結局、現実逃避のはずが頭の中は恋人が居座ってしまい、

赤面症を解決できない訳だ。



「……。」

携帯電話を取り出そうが寝たふりをしようが何をしたってどうにもこうにも田上さんがリンクするため、

仕方なく窓の外の風景に注目してみてしまっている。


そして、暇な俺はとある発見をした。

なるほど一理ある、そう納得するに違いない。



一人ぼんやりして、一つの結論を導いた。
学生が先生に制服を着せられている理由は、ナイス十七歳の頭脳を持って明確になってしまった。


さあ、暇つぶしに洋平様の戯れ事を聞けばいい。


それは、