星空刺繍


一般的に駅前だと空き地はデッドスペースで会社なり商業施設なり建てて、

発展させるべきらしいんだけど、

そこは何も生産しないんだけど、

街中を通りすぎる人が横目で幼少期を反芻できるきっかけがあったって良いんじゃないかな。


病院をネット予約し待ち時間を削減できたり、東京にしかない店の服を通販で買えたりと便利になる分、

一日を有効に使うはずが人と繋がらなくなるし、誰かと関わる機会が減る生き方になってしまうんじゃないかな。


俺は独り言を見落とさないよう目の前のことを鈍行で消化していくつもりだ。

この考えを恋人なり親友なり伝えた方が、質を増すんだろうけど、

とぼけて暮らしていきたいのが俺で、

類は友を呼ぶらしく、幸い田上さんとは根底が似ていて嬉しく思う。


イルミネーションの電飾を摘んで両手で包み、

蛍を捕獲したとはしゃぐテンションが変な美少女は、

「てかそー、市井。市井くん優しいよね、今日マンション借りたらいくらなのかなんかちゃんとお礼したいよね」と、

イケメンと居る今、他の男の話題を持ち出してきやがった。


十七歳、高校二年生、嫉妬しない男子が居るなら、ぜひお目にかかりたいものだ。