好きだ。
もう田上さんが好きだ。
食べちゃって自分の一部にしたいぐらい気持ち悪いレベルで好きだ。
クリスマスなのにふたりきりなのにベッドの上なのに普通にしたかったのに、
今日できなかったけど、あの様子じゃ多分まだ当分できなさそうなんだけど、
別にしなくても、言葉の奥に眠る田上さんの愛情なら、目に見えなくとも聞こえなくとも、
空気中に透明度高く気高く溢れてるから、
俺はアホの特権で幸せを吸収し、余裕で夢の絶頂を味わえてしまう。
当たり前に恋人同士しかできない大切なことだから、身体の触れ合いも交際には大事で必要だけど、
というか『何もしない』って紳士ぶっときながら勢い任せに襲いたいけど、
むしろ十七歳少年と十六歳少女の今しないと、大人になる前の現在じゃなきゃ判らない感覚もあるんだけど、
たくさんの会話で意見を交換し、心の距離をゼロにすることも尊いけど、
やっぱり、自己愛一人芝居が俺たちらしいんだ。
となると、恐らく彼女は迂闊に恋人へ手を出さないストイックな彼氏が希望で、
気障な男前のロマンチスト手ほどきより、族のトップの荒々しい狩りもどきより、
威張りん坊のガキ大将がスカートをめくる要領でからかい半分真剣半分の扱いを待ってるらしい。



