「私ダイエットにプラスでさぁ三日前から晩ご飯抜いててさ、今日いきなり馬鹿食いした訳よ。余計これ絶対太るよね?
調理実習みたいで面白かったからかな、調子乗って食べすぎた、せっかくニキロ頑張ったのにリバウンド怖い!」
四歩目のマジック、左足の熱でチョコレートの世界は甘く蕩けてしまっていた。
なあ、こんな展開誰が望んだ?
ついさっき二人の仲を確かめ合う愛をしくじった分、サプライズなご褒美が素直に嬉しい。
田上さんは天性で男を虜にする力量が絶対ある。営業マンかプロ詐欺師に向いているはずだ。
だって、何気ない話を聞いた俺は今最強に幸せなんだ。
だって、だって、だってずる賢い。
クラスメートより遥かに彼女は既に細い癖に、
彼氏とのクリスマスに向けダイエットをしていたことをポロっと零すなんて馬鹿だ。
痩せたいと思った心意気に愛を感じるしかないじゃないか。
分かるだろう?
今日、俺に脱がされると予想していたから、一ヶ月もかけてウエストサイズを気にしていたんだ。
本番は無理だったけれど、舞台に上がる自分を想定しリハーサルをしてくれてはいたんだ。
ニヤける男を許してほしい。
好きだと直接言われるよりも、なんだか美味しかった。
リバウンドが憂鬱だとお腹を両手で叩く田上さんは可愛い。
言葉より近く、瞳より強く、雰囲気で適当に二人の恋心を育てていきたいなとクリスマスツリーに祈ってみたのは、
あまりにイケメン学生すぎるため秘密だ。



