親が十代デキ婚で、納得できないジジババに冷遇されたり、
弟ばっかり可愛がられていたせいか淋しい時間を過ごした結構ナーバスな洋平少年の過去話を言えばいいのに、
明るい部分しか伝えられない彼氏を許してくれ。
俺は嘘つきなのかな?
いちいち昔を引っ張り出して現在を無視して失望するのはつまんないから、
誰が何と言おうとも、偽物ポジティブが好きだ。
「ほんまな。しかもさぁ、訳も分からずジュース? ばーちゃんなんか張り切って炭酸超買い込んでくるくね? いやいや俺そんな飲めない飲めないみたいな。
お年寄り可愛いな、萌えだな。お正月に意気込んでさーなんかありがたいよ、お年玉強奪されんのに愛され孫だよ俺ら」
ツリーを中心に、花びらのように造られた光のアーチは一周あって、
馬鹿みたいにたらたら歩いて五回眺めた頃、
相変わらず、六周目を迎えようとしていた頃、
「そー私さ、」
田上さんが稚拙に呟く。
その四歩後の予言をしようか。
ツッコミが相場の可笑しい会話の最中なのに、
肌に降り注ぐイルミネーションたちはソーダ色をしているのに、
恐らく俺が四歩進んだら、
まるでキスをした後のような表情で、王子様のホッペがストロベリー色に染まってしまうんだろう。
もちろん、今はまさか自分が公共の場で純愛に赤面するはめになるとは予想していなかったんだけれど。



