真っ赤な初恋を頑張る彼女は、
土壇場でしたくなくて彼氏に我慢させて泣いちゃったのに、
変わらず恋人に愛される自分がダイスキだし、
両思いに混乱し、いつもと違うキャラに変身しちゃう一途な自分が大事で、
自己満足な青春を精一杯楽しんでいる模様だ。
『十代なんて恋に恋してただけなんだよね』
なんて、大人は懐かしむように語りたがるけれど、
子供代表面な俺から言わせてもらえば、
大人は過去の出来事を達観したかのように振る舞う自分がダイスキな生き物で、
結局、人間はいくつになろうが自己愛を止められないんだ。
『俺も嫁も結婚と結婚してるだけなんだよ』と、リアルはママゴトじゃないと呆れ気味に話を切り出す中年男性を目標にしようか。
足元には光の海原、頭上には光の天の川、クリスマスに包まれた一帯は美しい。
ホッペにキスをしたりまつ毛を撫でたり、バラード曲が聞こえてきそうな夜に、
「とーかーね!、はは冗談です。今の台詞ってまじ女子力高くない? ウケるー。どんな純愛ドラマ! あはは」と、
しっとりした雰囲気に身を委ねたい癖に、キャラ設定を変更する勇気がなく、
結局、いつも通りに甘さを茶化す田上さんに俺の性格が歪みまくってる証拠か、
悔しいが、右の八重歯を覗かせてしまっている。
天然美少女が支持される年代でガサツな子にときめくなんて、
近藤君ときたらイケメンらしからぬまあまあアブノーマルだ。



