星空刺繍


なのに、俺の恋愛が五秒後にウザイ女に狂わされてしまうとは、今はまだ想像してもなかった。


一秒、二秒、

ジェルネイルのグラデーションを参考にし、違和感なく変色する点滅に合わせ、

幻想的要素を増すクリスマスツリーなのに引立て役にしてしまうダブル主演の作品名は、

何が相応しいんだろう?


三秒、四秒、

俺と彼女のデビュー作にして代表作、メガヒット青春ドラマの制作費はいくらなんだろう?


無名無料でありながら、末永く国民に愛される二人でありたい。


五秒、


「でも。……なんか。私、……んとー、来年、来年?うん、あのケーキ屋さん……近藤くん。来年また予約したいな。とか。

食べよう来年、今日のケーキ屋さんのやつ……

――……、……なんか、ふ、乙女すぎるか。はは、は」


就職活動の個人面接ばりにたどたどしい田上さんの口調は、

冬の流れ星が踊る風によりささやかに俺へ届いてしまった。


まつ毛を伏せて照れ臭そうに笑う様子は女の子らしくて可愛い。

とうとう俺の心臓が爆破されたようだ。

血が枯れて死ぬんじゃないかってレベルに身体が熱くて困る。


嬉しかった。
携帯電話で簡単に物事を削除できる今、未来まで保管したがる存在であれて、

もう凄まじく幸せだった。


たとえ相手のツボを狙った発言だとしても、小悪魔したたか女子高生だとしても、

ラブストーリーに酔いたいのが男子高生のポリシーだ。