星空刺繍


「うん! また食べたい」と、田上さんも面白みに欠ける返事をしてきた。


となれば、この恋愛の正解は無駄でしかない短文のトークだ。


「何、内容のないお喋り、田上おもんな」

「あはは、だったら近藤が話広げなよ」

「はー? 接待トークとかゴミだろ、はは」

「ウケる! うん、OLの昼休み的な」

「なんで世の中皆さ、携帯片手に適当に話すんだよ? 心が荒んでやがる」

「わかる、ケータイ命の奴って薄情でしょ、ある意味病気ー恐ろしい」



過剰に笑って二人、お星さまの絨毯を歩く。

通りすがりのカップルは、中肉中背の男が「綺麗だな」と、

中途半端な女が「綺麗だね」と、

ロマンチックに甘い雰囲気で寄り添っていて、それは例の二人に似合わない。


恋愛らしく点滅する光の粒を数える暇があるならば、俺はその時間を無駄話に費やしたい。

本当にふたりきりの交際より、俺は皆の輪の中心で得意顔で付き合いたい。


『綺麗だ、君と一緒に居られるだけで俺は幸せだ』

『ねえ、アタシよりツリーを見てよ、……恥ずかしいよ』

こんな会話がマッチするほど俺も田上さんも外見は美男美女で申し分ないんだけど、

なんか恋愛恋愛した学生モード恋愛ってキャラじゃないんだ。


そう、『ありがとう』は『やったー!』、『ごめんなさい』は『謝らせるそっちが悪い』、

『ダイスキ』は『重たっ』、『逢いたい』は『他に遊ぶ人居ない訳?』、

そんな風にふざけて両思いを満喫するのが、

マドカ高校の二人らしいんだ。


なのに、