星空刺繍



それでもしつこく純愛を朗読しようか。


一つ、田上さんに聞きたい。

来年も一緒にこうしてクリスマスを過ごしたいと願っているのか、

概ね返事の予想がついている癖に、

不安なんだとばかりに胸に抱き寄せ、甘く未来を尋ねてみたい。


だって、女子高生は男子高生の弱さに胸キュンするんだろ?

それをキモいとかイタいとか引いてはならないらしく、彼女たちによるとそれこそが真実の愛なんだそうだ。


『今日は凄く楽しかったよ、俺は田上さんの彼氏で幸せだ。幸せすぎて怖くならないか? 分かってるよ、大切にされてるのは。

ただ不安なんだよ、好きすぎて不安なんだ。なあ、毎年ここにツリーを見に来てくれるか?』


イケメンの域で言葉にして永久を確かめたいのに、

俺の演技力のなさか、温度差舞台稽古ばりの嘘臭さが漂う故に、

どんなに想いを募らせようが、それを誰にも伝えたくはない。

あえて音にしない方が、小意気で清潔な恋心ってもんだ。




左手を前方に突き出し、現代人の武器を掲げれば小さな絵画がお手軽に出来上がる。


「たーがみさん、」

消しゴムが階段を跳ねる調子で名前を呼ぶと、

好きな子に笑顔で振り向いてもらえる関係が嬉しい。


現状維持はよろしくない風潮が強いも、俺は今一瞬がそこそこ宝物だったりするため、

ずっとこのままの気持ちを保存できたらなと願う。