星空刺繍



クリスマスイヴ、十二月二十四日、今日。


今になり思えば、初恋ビギナーの田上さんよりも、

二番目の恋になる俺の方が、実は色々と準備できていなかったのかもしれない。


クラスメートの中で付き合ってる奴の内、七割のカップルの傾向並に思春期ノリで盛りたくないけど、

だからって、清いものですとばかりに愛する二人でありながら後ろめたさを感じ、いちいちシリアスに受け止めるのも嫌で、

正直言うと、現段階ではチョコレートを前にイケメン彼氏らしい熱愛ショコラティエの正しい行動例が浮かんでなかったんだ。


とにかく、気の毒な域で胸がない子で良かった。

なぜかって説明するのが恥だけれど、高校生らしく暴露するなら、

俺の彼女は罪な奴で、ピュア男子の事情をシカトで無防備にぴったり抱き着いてくるあたり心底恐ろしい訳だ。




ホワイトデー、三月十四日、九ヶ月。


田上さんと真剣交際中の自覚はある。


ただ、いくら本人が一途さを主張しようとも、『好きだ』『愛してる』『大切な子なんだ』に、

『本気で』『凄く』『一番』なんてオシャレに飾れば飾る分だけ、胡散臭さを増し、

俺の恋愛姿勢に対する真摯な事実があっても、皆の評価までもは操作できないんだ。


要するに、携帯電話を忘れた日は誰の番号も記せないカップルの永遠など、一過性だと見做されなくもないんだ。