星空刺繍


いいや、嘘だ。
一番身内の父さんや母さんが考えてることさえサッパリな俺なんかが、

付き合って一年未満の田上さんの内面なんて知っているはずがないし、

たとえ夫婦になろうが、知り尽くせる訳がない。


ただ、ただ、これは学生マジックに値するかもしれないけれど、

自分が勝手に思い込んで、その勘違いを貫けば、

恋愛へ幸せの香水を振りかけることに成功する可能性が高いため、


車移動の時にカーナビテレビにお守りをさせるんじゃなくて、会話を楽しむような、

電車に乗る時はポータブルゲームで大人しくさせるんじゃなく、風景を面白がるような、

そういう子育てをしたがる人だと信じ込む魔法効果で、

愚かしい彼氏は嘆かわしい彼女が好きなんだ。



クリスマスのお月様に元カノと今カノ、過去の恋愛と現在の恋愛の二つ以外に増えないことを祈ろう。

どっちが好きなのか。
どっちが大事なのか。
どっちが宝物なのか。

うちのお姫様は皆みたいに女子力が足りないせいで、涙声で彼氏を咎めてこないから、

劇場型恋愛を展開できない。


そんなもん無言を貫く方が男前だから俺は言わない性格だが、

残念なことに、弟に聞けばバレてしまうんだろう。



彼氏の愛が不安になった時は、一人落ち着き彼の周りにどんな人たちが集まって、

どんな風に笑ってどんな風に歩くのかを見てしまえばいい。


そうすれば簡単だ。
夢の答えは、分かりやすい程に今に散らばってる。