星空刺繍


なんやかんや三流スタイルだと、飛び抜けてナルシストな癖にヘボイ役でも構わず演じることが、

付き合って九ヶ月の彼女に対する想いのすべてなので、

恋人と愛を語る時間があるなら、

適当に撮り溜めしたテレビを見つつ、番組について感想を短く述べる暇潰しをしよう。


別に皆と違っていいんだ。
俺たちが変なんだ。


クラスメートたち普通の恋愛なら、

デートの実況を呟いて、二人の歴史をブログに書いて、リアルを共有するのがオシャレらしいんだけど、

ダサい田上近藤カップルは、朝学校に行ってすぐ友達に報告する訳だが、

嬉しくて大声で喋ったり、悲しくて半泣きで相談したりするせいで、

教室中の全員に知れ渡り、口コミ効果で学年を巻き込み噂をされるアナログの道を進みたいんだ。


だから、光りのトンネルを歩く今、手さえ繋げなくなっている今、

今この瞬間も、なんだか甘酸っぱいエピソードとして、

来年のクリスマスにでも二人で笑って今を思い出せれたら、今は幸せな今になる。


今に精一杯青春を注ぐなら、おのずと過去も未来もが財産になると、

お利口なイケメン少年は今でも熟知してるんだ。



心の闇や病み、愛や夢、それらをモテる要素にして純愛を売り込もうが、

大切な人は返品してくると読めてる俺がサンプルさえ配ってやらないせいで、

もしかしたら、来年の田上さんは今よりもっと性格ブスになってるかもだけど、

まあ、原因が彼氏の仕業なら今のところ本望だ。