「見ろ、姫様」
そう、今度は仇討ちが待ってた。
「はいほら契約成立。お前は俺の暇つぶし。分かったか?」
涙袋を膨らませ、唇を片方つりあげて、
他者を不快にさせる生意気な表情で私を馬鹿にしてきながら、
近藤君てば赤い顔してるし目が潤んでるしで、全然余裕がなさ気なのは確かなのに、
いつの間にか薬指に天使の輪をはめてて、
愛の宝を甘ったるく見せ付けてきやがった。
その子供らしい態度とその恋人らしいアクションの差は卑怯で、
恋愛バトルに負けた私はもう重傷にときめいて、ふざけた罠に嵌まるしかできない。
欲しいなんておねだりしてないお揃いの指輪を勝手に買われて、
一方的に契約され誓われた未来に、
ロマンチックな雰囲気ゼロでも、どうして心臓が爆発しまくるのかな?
精一杯、「あはは、上から目線うざー、光栄です神様王子様」と、
アンチ純愛女子高生ユーモラスな結衣ちゃんを演じようが、
「この豆知識知ってる? 暇な時間を誰と費やすか、それが青春の決定打なんだよ。だから田上さんなんかに注ぎ込んだ俺の青春って最悪に失敗だな」と、
遠回しに告白をされたなら、
もう逆転勝ちは見込めないんだ。
腹立たしい愛の台詞には、一生だ永遠だとほざく学生要素が含まれていないため、
近藤君は私の彼氏に相応しいし、
そんなややこしい私こそが、近藤君の彼女にベストだし、
やっぱり二人は性格が破綻してる様子だ。



