ちょっとはペースを乱してみせて。
キャラクターを崩壊してみせて。
恋愛に夢中な私は、大切な声を聞き逃してしまうかもしれないじゃない。
毎日毎日、近藤君は近藤君を辞めない。
二人並び、含みを持たせ窓の中で見つめ合う。
間接的に視線を交わす方が、どことなくシャープに感じるのは、
民家の明かりが星空のようで美しいせいかもしれない。
「私は。彼氏イケメンだから嬉しいなぁ、イケメン彼氏とか皆に自慢できるから私幸せ。イケメンっていいよね。何しても許せる。
やっぱキレイゴトなしならイケメンが絶対いい。」
つっまんないお喋りに気をよくしたのか、彼氏は自分の彼女が美少女で良かったと口にする。
なんでも彼女が美少女だから嬉しくて、美少女彼女とか皆に自慢できるから幸せで、
美少女は何をしても許せるため、やっぱりキレイゴトなしなら美少女が絶対いいらしい。
もう腹が立つ。
優しい優しい近藤君に仕返しとして、簡単手間要らずな即興嫌がらせをしよう。
「ね!、近藤くん、近藤くんレベルのイケメンとか普通なかなか付き合えないから私ぜったい別れたくないんだけど!」
キャハハとガサツに笑った私は三流脚本のクライマックステンションで、
クリスマスの指輪にキスしてみせた。
すると、



