なんか小学生の頃、校長先生の朝礼長話なんだけど、
人間の耳って、頑張ってる時はテレビや音楽、車の音や周りの雑談が無音になってない?
本当に知りたい歌しか脳みそまで届かないんだって。
仕組みは謎だけど、そう言われるとそうで、
友達と長電話して青春に夢中な時は玄関チャイムに気づかないし、
テスト問題を死ぬほど頑張ってる時は、隣の奴がお腹を鳴らしたのを知らない訳で、
確かに都合良い機能みたいだ。
二人のイニシャル、交際記念日、そして――
「じゃあ非イケメンらしく暴露しましょか。あはは、指輪に隠された呪文はなんとまあロマンチスト、よく聞けよ? ――――オン……、
……あはは、は、まあ、うん、あれだな、ゆとりらしくテレパシー信じてるからあえて言わね。お前読めただろ? やっぱ言いません。
うん、バレンタイン。付き合って九ヶ月、か。高一かぁ。……花を。鉢を買ったのは俺あの日が初めてかも。平和ガーデニング主婦みてぇ」
――近藤君が教えないなら、私は興味ないふりをする。
ガチでリアルでストレートでありのままを表現し、バシッと決めたらいいのに、
グダグダに笑ってごまかすところが好き。
なんとなく相手の心を分かった風に装えば、きっと二人の関係は未来でも繋がってるんじゃないかな。
そう、恋愛は自己満足の世界、
自己顕示欲の高い人が幸せを手に入れるのなら、
悲しいことに、近藤君と私は学校で一番ラブラブ平和カップルだから素晴らしい。



