可愛らしい女子が理想とする王子様の例を挙げるなら、
普段はクールな秀才なのに、不意に見せる笑顔が幼いイケメンや、
過去を抱えた不良なのに、実はピュアなイケメン、
イジワル俺様なのに、恋愛には不器用なイケメンや、
クールな大人なのに、ふたりきりになると甘々イケメン、
爽やか好青年なのに、突然ワイルドに変身するイケメンや、
皆に愛されるお調子者なのに、たまに心が弱くなるイケメン、
どれも婿にするべき素晴らしきイケメン風キャラクターなんだけど、
私は歪んでいるせいか、全然そんなプリンスに恋ができない。
ただ一人だけ。
たった一人だけ。
努力家で真面目な本性を隠し、ユニークさを売りにすべてをテキトーに逃げる三流イケメンとなら、
安易に一生を誓える。
そう、近藤君となら、私は皆が信じる永遠を二人一緒に笑い飛ばしてみたくなる。
『運命』は言い訳にピッタリな負け惜しみだと小馬鹿にする姿勢を、
たかが十六七の人生で喜んで選んだ価値観の人に出会えるなんて、
どえらい運命エピソードだ。
「なー、指輪さ、買っといてあれだけど俺あれだわ、人前じゃつけないな多分。恥ずかしくね?
や、なんかウケる、指輪しやんのに奮発とか最強に無駄遣いじゃん? はは。節約すりゃ愛しの姫をランド連れてったげたのになぁ俺。ふ、ショボ」
計画性がないんだと嘆く彼氏の笑い声は、
まるで小学六年生の子供に髪の毛を撫でられてる時みたいに、
こそぐったくて嬉しい。



