歪みクオリティーが雑草の国の王子様に見初められるお姫様の個性ならしいんだ。
言わないから聞かないけど、聞かないから分からないけど、
分からないから私は少しぐらいは受け止めてあげたっていい。
この軽さがちょうどいい。
加減が難しいけれど、肩の力を抜いたフリで水面下で恋愛をしたい。
誰にも秘密だけど、近藤君は結構深刻なブラコンだと推測される。
彼が際立って弟贔屓なのは、
無条件で愛される小さな弟を可愛がることで自分も好かれようとした結果なんだと、
私ってば対人スキルに長けてるため薄々感づいてた。
そう、中学時代のあだ名『コンコン』は表向きで、嫉妬がてら『デキ婚』って陰で呼ばれてて、
昔は悩んでた癖に苦しんでた癖に、
ううん、現在進行形で割と根深く病んでる癖に、
なにもなかったかのようにヘラヘラと適当に面白い話をして陽気な男子高生を、
近藤君はさりげなく装ってる。
うちの彼氏は馬鹿だ。
だって、家庭環境なり中学生活なり幼少期に味わった胸の痛みを彼女にぐらい背負わせてくれたなら、
『貴方は芯が強い人なんだね』『本当は弱いのに君は偉いね』って感動して、
結論『イケメン★』で、この私が惚れ直してあげれるのに、
辛い生い立ちを語らないなんて勿体ない。
モテるチャンスを逃してる近藤君はそこそこ馬鹿だ。



