一ヶ月前に近藤君と二十四日の計画を立てる時、
二人がいざそうなるのが実はかなり不安だった。
心の準備ったって、何を用意すればいいのか謎だった。
でも、深く考えないようにしたのは、
『クリスマスなんだから大丈夫だって』と、親友Aの愛美が言ったからで、
『高校二年生なんだから普通じゃん』と、親友Bの里緒菜が言ったからで、
『付き合って九ヶ月なんだからそうなるよね』と、主役を気取る私が言ったからで、
重くシリアスに真剣に真面目に捉えるのは、
放課後に二人乗りをして街中を駆ける女子高生的にキャラがぶれると思い、
皆の中で浮かないよう、初恋で精一杯な自分の本当の気持ちを隠していた。
のこのこついてきておいて、あんなキスまでさせておいて、
ベッドの上に乗っておいて、ファスナーを下げさせておいて、
そこまできて途中で拒絶するのは、ピュアと言う名の自己チュー悪魔、
女子に嫌われるタイプの奴が、悪気なく素直という単語に甘えることだと知っていたため、
そんな女の子女の子した女の子になりたくなかったのに、
認めたくないけれど、私はばりばり同性に欝陶しがられる典型的な人間だったみたいだ。
私が愛美なら、あの場面でさせない女友達をウザイなって内心腹立つし、
私が里緒菜なら、彼女に引くし彼氏が可哀相だと同情する。
そんなはた迷惑な悲劇のヒロインを志す恋人が彼女で、彼氏は嬉しいのかな?



