「な、マジで瞼むくむから。これ以上ブスになったらどうすんだよ? 俺お前の顔しか好きじゃないのに最悪じゃんか、責任とれよ美少女」


焦って粗悪品ジョークを乱発する近藤君が堪らなく好きだと思った。

好きで好きで、好きすぎて一秒で死ねると馬鹿らしいことを思った。


気がついた時には、私はおもいっきり彼氏の胸に向かって抱きついてた後で、

「いて?」と、小さな悲鳴は聞こえないふりをして、

気持ちが抑えられなかったのか、勢い余ってそのまま乗っかるように倒してしまってて、

いつもの私なら身体が密着するのが嫌で、すぐ起き上がるんだろうけど、

そんなのどうだってよくて、なんかもうずっとこうしていたかった。


ベッドに寝かせた近藤君の体温に触れる感覚が切ない。

切ないって便利な言葉で、表現しようがないややこしい感情、

愛しさと寂しさが混ざった大切な気持ちを代弁してくれる。


途中で泣いた自分を謝れなくて、どうしていいか分からなくて、

こんな風に優しさに付け込み甘えるなんて、

たちが悪い子供の狡い技みたいだ。


でもクリスマスだから、特別に許してほしい。

お願いだから、私を昨日より今日、明日より一昨日、つまり毎時必要な存在にしてほしい。

ねえ、『付き合う』の答えって何?