仮面女と俺様男

ガチャッ

勢いよく開けられたドアの先には
汗を少しかいた、
竹内祐樹と焦った顔で
「お客様、困ります。」
と言ってる店員さん。




「お前っ...!
日和行くぞ!」

またこの前みたいに
グイグイ私の腕を引っ張る。



私は人通りの少なそうな路地裏の
ちょっとしたスペースに連れて行かれた。



「何でお前ついて行った?」

起こった顔でそう言う竹内祐樹。


「何でって...
話があるって言われたから...」


「あんな、
個室のあるとこにつれていかれて
変だって思わなかったのか?」


「そんなのわかんないもんっ!」


「わからないで済む問題じゃねぇだろっっ...!」


「っっ...!
うっ...ふぇ...っ」


「!?
なんで泣くんだよ?」


「私だって!
私...だって!
怖かった...。

...きゃっ!」


急に竹内祐樹は
私を抱きしめた。