そいつはゆっくり、でも速く、プールの床に背中ついてる俺の視界に入ってきた



その姿は凄く綺麗で、ただの学校指定の水着だったにも関わらず、なんていうか優雅な魚みたいで



いや、寧ろ小さな水槽に閉じこめられた…人魚




とりあえず俺は、柄にもなく見とれていた



俺好みの大人のビキニのお姉さん見たときとは違うドキドキだ



そして俺は…



見とれすぎていたために水から出るタイミングを見誤っていた



「ゴホッゲホッっ…ハァハァ」



その音に気づいてか、彼女は俺の方にきた



「あ、やっぱり栄君だったか」



「へ?」



彼女は俺のことを知っているらしい



なかなか可愛らしい、元気な体育会系って感じだ



「えっと、私7組の由井初音(よしい はつね)。よろしく」



同じ学年らしい。全然しらなかったな



「あ、俺は3組の」



「知ってる。梶本栄(かじもと さかえ)でしょう?」



「なんで」



知ってるんだと言おうとしたらそのの前に返事が帰ってきた