見ているのが辛くなった私は、思わず目を反らした。



何度もこの光景を見てきたけど、まだ慣れない。



胸がモヤモヤする。



「ちょっと、そこ邪魔なんだけど。」



顔を上げると、美希があの人だかりに向かって言葉を発していた。



翼の取り巻きは何か言おうとしていたが、美希の威圧に負けたのか、散っていった。



「美香、教室入るよ。」



唖然としていた私は、美希の言葉でようやく動き出した。