私は慎二を好きだったということから逃れる為に、髪を切ってピアスをあけた。
街を歩いている時には浮かれすぎて気付かなかったこと。
それは、私は鏡を見る度に慎二を思い出すということ。彼のことを手に入れられない現実を忘れさしてはくれないものを、2つも自分の手で作り出してしまったということだった。

鏡の中に映る自分が滑稽すぎて、顔に張り付く表情が苦笑いに変わる。やっぱり私はバカだ。

『どMかっつーの。』

『何1人でしゃべってんの?』
振り向くと、怪訝そうな顔でみずきがこっちを見ていた。