うなじがスースーする新鮮さに、足取りは軽くなる。しばらく短くしてなかったけれど、自分が思っていた以上にしっくりきていた。頭が軽くなると、どこまでも飛んでいそうな気さえした。

いや、実際飛んでいってしまったのかもしれない。

気づけば私の耳には、3個目のピアスホールが空いていた。
バチんと穴が空いた瞬間、音と痛みで頭がボーッとした。対にならないピアスを左耳に。私は私の体にも孤独な何かを作ってしまった。
ピンクに光るそれは、未だに恋心を押さえきれずにいる私のようで、まだ少ししびれた左耳をそっと撫でた。