というのは私の希望的観測で、現実は気付いていないという世間の予想通りのものだった。
昨日慎二は私に結婚を前提に付き合ってる彼女を紹介してきた。
キノウミミモトデリサトヨンデ、ワタシトシタコトナンテ、ゼンブナカッタカノヨウナエガオデ。
8年目のこのタイミングで、繋がりかけたと思っていた想いは音もせずにみごとに砕け散った。
私とはまるっきり別のタイプのかわいくて、守ってあげるような子。唯一の共通店は髪の長さくらいなもので、彼女と何を話したのか、何を食べてどうやって帰って来たのか・・気付いたら家のベッドで寝ていたのだった。ちゃんと化粧を落として寝巻きにも着替えていたから、どうやらすごい気分の悪い夢でも見たのだと思っていたのだけど、床に脱ぎ捨てられた服が昨日の事実を突きつけていた。私が見ていたのは、紛れもなくすごく気分の悪い現実だ。
そうして私は、好きという言葉も言わないうちに失恋した。8年目の失恋。