一番星の愛情物語

いろはさまは、食べ終わったので、お品書きを見ました。


「新居は、いろはさん好みにしたいので、そろそろデザインの打ち合わせも」


「は、はい……」


「サンプルを用意させますから、暇なときに見ておいて下さい」


「はい」


いろはさまは、瞬きをしました。


「注文してもいいですか?」


「ええ」


嗣実さまは、鈴を鳴らしました。


「承ります」


「ハマチとイクラ、中とろに炙りトロと」


「かに汁と甘エビ、イクラ、白魚、穴子を」


「承ります」


店員は立ち去り、いろはさまは嗣実さまに聞きました。


「あの、来週の」


「部下の結婚式ですか?披露宴だけですから。心配は要りません」


いろはさまは、チラチラッと嗣実さまを見ました。