一番星の愛情物語

いろはさまは、頷きました。


「結納等は来年で。それから、色々と決めていきましょう。いろはさんは、挙式の理想をリストアップしておいて下さい」


いろはさまは、頷きました。


「少し早いですが、自宅は戸建てにしたいのですが」


「ご実家に暮らさないんですが?」


嗣実さまは、頷きました。


「次男ですし、跡継ぎではありませんから。実家の近くに土地があるので、そちらに建てます」


いろはさまは、アワビを食べながら瞬きをしました。


「土地まであるんですか?」


「私のは曾祖母の遺言で。代々、そうやって引き継いでいます。色々もめないようにするには、引き継ぎの細分化が必須です」


嗣実さまは、鯛を食べました。


「きちんとまとめる者はいます。その者から、年に一度、報告書が来ますから。私のは先月来ました」