一番星の愛情物語

いろはさまは、何度も頷きました。


「どこに行きたいですか?」


「い、イタリアは駄目ですか?」


嗣実さまは、瞬きをしました。


「大丈夫ですよ。今回はイタリアにしましょうか。行きたい都市はありますか?」


いろはさまは、遠慮がちに言いました。


「ろ、ローマに」


「ああ、ローマの。いいですよ、行きましょう」


いろはさまは、上機嫌になりました。


丁度、お寿司が届いて、食事が始まりました。


「来週の結婚式ですが、金曜日ですから、学校をお休み頂くように許可はいただいていますから。学校側にも、在学中に結婚の可能性もある事を正式にお伝えする事にしました」


いろはさまは、不安な表情を浮かべました。


「お祖父さまは許可して下さったなら……」


「大丈夫です。私とお祖父さま、弁護士も一緒に学校へ伺いますから」