金のチェーンに、アルファベットのMが着いたストラップが着いていた。


「わたしのはこれです」


いろはさまは、アルファベットがI。所謂、お揃いというもの。


「素敵ですね。思い付きませんでした」


「こ、恋人って感じがしますか?」


嗣実さまは、口元を緩めました。


「恋人と言うより……婚約者、永遠のパートナーですね」


いろはさまは、じっと嗣実さまを見つめました。


「そう、ですか……」


嗣実さまは、そのまま、いろはさまの頬に唇を重ねた。


「まだここまでにします。これでも、興奮を押さえるのに必死です。色々、準備が必要でしょう?」


いろはさまは、何度か頷きました。


「古風かもしれませんが……。私の体調も関係しています。本末転倒になるのは、いろはさんにも申し訳ないですし」