「三日月なのが残念ですが。虫除けですので、十分でしょう。あとは、チェーンブレスレットも。ピアスはしていませんか?」


嗣実さまは、さりげなくいろはさまの髪の毛をかきあげました。


「あ、あ、あの……」


「大丈夫ですね」


いろはさまは、真っ赤になりながら、ギュッと嗣実さまの腕に触れました。


「いろはさん?具合悪いですか?」


「い、いえ。ビックリして……」


「では、チェーンブレスレット。どちらにあるのかな」


嗣実さまは、ピンキーリングを予約して、チェーンブレスレットのコーナーに向かいました。


「あっ!星とクローバー!可愛いい!」


いろはさまはショーケースから出してもらい、手首にはめました。


「よく似合っていますね」