嗣実さまは、ハッキリと言いました。


「いろはさんの将来が決まろうとしている今の時期にお会いできたのも、何かのご縁。私はいろはさんの伴侶として、最大限の事はするつもりです。兄や弟と比べたら、生活水準は落ちてしまいますが、いろはさんに不自由はさせません。……何より、いろはさんが私には必要と感じました」


佰宮会長は、何度か頷きました。


「お話が早急ですが……いろは次第では、こちらもお引き受けしたい、と思っております」


「ありがとうございます」


嗣実さまは、深く頭を下げました。


「いろはを連れて来なさい」


使用人にそう言うと、すぐにいろはさまがやってきました。


嗣実さまを見て、露骨に顔を歪めました。