一番星の愛情物語

「具合、大丈夫でしたか？」


いろはさまは、慌てて頭を下げました。


「は、はい！あの時は凄く助かりました！」


「良かった」


フンワリと笑う女性の笑顔に、いろはさまは胸が高鳴ります。


「あれ？二人とも知り合い？」


女性は、先日あった出来事を簡潔に話しました。


「んじゃ、改めて。結ちゃん、こちら栢宮いろはさん。二番目の兄の婚約者。いろはちゃん、こちら晴留谷結葉(はれるやゆうは)さん。今年入社した新入社員さんで、僕の恋人。営業は人がほとんどいないから、何かあったらいつでもいる人に聞いて良いからね」


いろはさまは、何度も頷きました。


「じゃ、結ちゃん、後は頼むね。詳しい条件はこれね」


類司さまは、結葉さまにファイルを渡しました。