「いろはさん。急にいなくなったらダメですよ」


嗣実さまは、軽く息を整えて、いろはさまの隣に立ちました。


「ご、ごめんなさい……でも、嗣実さんのだらしない顔、見たくないし」


嗣実さまは、首を傾けました。


「だらしない顔?」


すると、男性社員が吹き出した。


「壱星部長、彼女は壱星部長がデレッとすると勘違いしているんですよ。絶対にあり得ないのに」


「そ、そんなこと!美人の方には、デレッとしますよ!」


男性社員は大爆笑。嗣実さまもクスッと笑う。


「ありがとうございます、いろはさん。妬いてくれて」


いろはさまは、ボンッと顔が赤くなりました。

「そ、そんな事より!嗣実さんのデスクが見てみたいです!」


嗣実さまは瞬きをして、頷きました。