一番星の愛情物語

「蒼(せい)ちゃん、お帰りなさい。ケーキどう?」


実央さまは、再びお皿を取りました。


「頂きます。……嗣兄って、ロリコンだったんだ」


末の六男蒼一(せいいち)さまは、現在中学一年生になったばかりでございます。


「違うよ。いろはさんだから好きなんだ」


蒼一さまはケーキを受け取り、チラッと後ろを見ました。


「桜梨(おうり)とか来たら、大変だよ。お母さまが気に入ってるなら、なおさら」


いろはさまは、体を強張らせました。


そんな時、走ってくる足音が聞こえました。


「蒼早いって、嗣兄、彼女いたんだ!可愛い!」


蒼一さまと同じ制服を来た、六女の桜梨さまがいろはさまの前に来て、身を乗り出しました。


「桜梨ちゃんもケーキ食べる?」