一番星の愛情物語

実央さまのペースに、いろはさまは混乱されています。


「お母さま、いろはさんが混乱されていますよ。せめてケーキを取ってあげるだけにしてください」


そう言うと、実央さまは頬を一瞬膨らませたが、すぐにいろはさまに笑顔を向けました。


「いろはちゃん、どれにする?食べきれないなら、明日食べても大丈夫」


いろはさまは、瞬きをしながら、口を開きました。


「えと、クレームブリュレとイチゴショート、フルーツタルトを」


「分かったわ。パティシエが腕によりをかけたから、きっと美味しいわよ。嗣はナポレオンね」


実央さまは、手際よくケーキを取り、いろはさまと嗣実さまの前に置いた。


「ただいま……って、誰」


学生服を着た少年が入って来ました。