一番星の愛情物語

使用人からタオルを受け取り、嗣実さまに従っていろはさまはとある場所に向かいました。


「お母さま」


いろはさまは頭を深々と下げました。


「わ、わたし、栢宮いろはと申します。こ、この度は……」


いろはさまの手を不意に引き寄せ、ご当主昴さまの妻、実央(みお)さまは、いろはさまの体を抱き締めました。


「いや~。スッポリとはまっちゃうなんて!ねぇ、いろはちゃん。今日はわたしと寝ようよ!」


いろはさまが驚いて顔をあげると、凛々しい女性が笑顔でいた。


「え、あ、あの」


「嗣はまだまだだから、わたしが色々教えてあげる!」


嗣実さまは、苦笑した。


「お母さま。お父さまが嫉妬しますよ、色々と」


すると、実央さまはいろはさまから離れて、ニッコリと笑った。