一番星の愛情物語

いろはさまは、母家まで続く道のりを興味深く見ていました。


所々に咲く花が、キラキラと光って見えた。


「いろはさんはお花もお好きですか?」


ふと、嗣実さまが、質問をされました。


「はい!一生懸命輝いていて、わたしも……頑張らなくちゃって、元気をもらえます!」


嗣実さまは、軽くいろはさまの頭に触れました。


「いろはさんも、キラキラ輝いています」


「嗣実さん……」


「その輝きを受けて、私は命を作り出せます」


嗣実さまは、じっといろはさまを見つめました。


「嗣実さん……」


「あなたの全てが欲しくなりました」


「つ……」


ポツポツ、と滴が空から落ちてきた。


「急ぎましょう」


嗣実さまが手を引いて、慌てて母家に入りました。