いろはさまは、真っ赤になられました。


嗣実さまは、そっといろはさまの手に触れました。


「だから、こうやって……いろはさんの一部で、蓄積しておきます」

いろはさまは、何度も頷かれました。


「嗣実さんの体調も、心配ですから」


嗣実さまは、ニヤッと笑いました。


「それは温存してありますから。体力もたくさんつけますからね」


いろはさまは、嗣実さまのほんのり暖かい手を独り占めしたい、と思うようになりました。


嗣実さまに関しては、いろはさまのあらぬ姿を想像していたのは、言うまでもありません。