「じゃぁ、おまじないをしましょう」


「おまじない、ですか?」


嗣実さまは、ニッコリと笑う。


「瞳を閉じて下さい」


いろはさまは、そっと瞳を閉じました。


嗣実さまは、いろはさまの額に唇でそっと触れて、耳元で囁きました。


「大丈夫。いろはさんなら、好いてくれます」


いろはさまは、パチッと瞳を開けました。


「つ、嗣実さん!」


「唇は、まだですよ。勿体ないですから」


いろはさまは、ボンッと顔を赤く染めました。


「嗣実さん……」


「はい」


「あの、嗣実さんは我慢とかしなくていいですから……」


嗣実さまは口元を緩めました。


「それは無理です。我慢しないと、家族計画に支障がでます」