「わ、わたしは……嗣実さんをもっと知りたいです。知ってから、せ、籍とか……」


ふと、嗣実さまが足を止めました。


「では、提案が。土日はできるだけ、私の自宅に宿泊を。私は当然ですが、両親もいろはさんを知りたいでしょうし。反対に、私もできるだけいろはさんのご自宅に宿泊を。親睦も兼ねて」


いろはさまは、瞬きをしました。


「そ、そんな。お忙しいのに?」


「私は体調の事もあって、管理職でも低めの部類に入ります。休日は大体同じですから。勿論、変更もある時はあります」


いろはさまは、何度か頷く。


「嗣実さんが大変でなければ……わたしは」


嗣実さまは、微笑む。


「大丈夫です。感情の波をコントロールできていれば、面倒な事はおきません。ですので、いろはさんのご自宅に宿泊する時は、体調がいい時しか無理なのが申し訳ないのですが……」