いろはさまは、頷きました。


「でも、誰でもいいって感じがする。目が笑ってないし、ほとんど」


お相手さまは、唸った。


「でもさ、気にならなかったら、おじいさんにお許しもらわないだろうし。面倒なこと、しないと思うけど……って、あの人?」


窓の外には、歩いている嗣実さま。


途中、立ち止まって、水分補給をしていらっしゃいました。


「……もやしっこだな」


いろはさまは、何故か急いで玄関を出て、嗣実さまの前に回った。


「どうして来たんですか?」


「いろはさん」


嗣実さまは、ニッコリと笑う。


「わたしといても……」


「楽しい、ではダメですか?」


嗣実さまは、再び水分補給をして、軽く息を吐く。