「…と、とにかく、恋なんて誰かが知ってるようなもんじゃないんだよ。」




「…うまくまとめましたね。」




「うるさい!!」




少しニヤッと笑った進藤先生は、いつのまにか普段通りにの様子に戻っていた。





少しは助けになれたのか…?





「恋か…僕にもできますかね?」





「できるさ、俺より進藤先生の方が女の気持ち解ってるんだから。」





二年前、まだ伊緒と付き合ってない時に何度もすれ違いをおこした俺達を、進藤先生は何度も助けてくれた。





まぁ助けてくれたというより、俺に説教をしてたが正しいんだけど。





「ふふ…まずは相手ですけどね。」





「あぁ。」





「次シュート練習っ!!一列にならべーっ」






部活動をしている部員達の大きな声が教官室まで響いてくる。






今日バスケ部休みにしちゃったからな…少しあの騒がしい声を聞けないのが寂しく感じる。






「甲田先生、お腹減りません?」





「あぁそうだな…。」





始業式を終えて、もう昼はずいぶんすぎていた。





「すきっ腹にコーヒーもなんですし、何か食べにいきませんか?」





「お、いいねー。行きますか。」





飲んでいたコーヒーを全て飲みほし、二人分のコーヒーカップを流しへと持っていく。






そして、自分の車の鍵をもって教官室の扉を開けた。





「何食べます?」





「……オムライス。」





「………子供ですね。」