静まりかえっていた教官室に響いた着信音。
その音に二人は身体を一気に離した。
もう隠れる必要はないんだけど、いつもの癖で身体が反応してしまった。
「悪い、伊緒。」
「いえ、大丈夫です…」
勇気を出してのキスだったのに、まさか着信音に阻まれるとは…。
きっと、今の私は少しついていない。
「あ、もしもし。進藤先生?」
どうやら、電話の相手は進藤先生らしい。
とゆう事は、恵那との話しは終わったんだね。
「そっか、解った。直ぐ行く。」
短い会話で終わった電話。
でも、先生の表情からして悪い内容では無いように思える。
「伊緒!!進藤先生と横井が門で待ってるってよ。」
先生の笑顔から伝わってくる、喜びの気持ち。
その気持ちは、私に二人が上手くいった事を伝えてくれているように見えた。
「行こうか。二人のとこ。」
「はいっ!!」
二人の事が、自分たちの事のように嬉しい。
私たちにとって大切な進藤先生と恵那の恋が上手くいってくれるなんて、まるで夢のようだね。
先生も、そう思うでしょ?
「急げ――っ!!!」
「キャ―――ッッ!!あははっ」
さっきまでキスをしようとしていた事なんかはすっかり忘れ、私と先生は無我夢中に門へと急いだ。
走っている途中、私が遅れて離れないようにと、先生は手を握りながら一緒に走ってくれた。

