「わっ……」
包装用紙を剥ぎ、箱を開けると、そこには光りがあたってキラキラと輝く食器が目に入った。
ティーカップにティーポット、それからティースプーンに…他にも沢山のものが入ったティーセット。
真っ白なものに小さく花柄があしらわれた上品なもので、高価なティーセットだという事が一目で解る。
これって、もしかして…。
「それなら、職場で使えるだろ?」
「っっせんせ…」
ティーセットを見て驚く私に、先生が笑いかけてくる。
「本当は指輪にしたかったんだけどな。卒業式は伊緒の進路を応援できるプレゼントにしようと思ってさ。
…指輪は、また今度改めてな。」
「う…うぅ―――っ先生のバカぁぁ!!!」
「ふははっ、やっぱり泣いた。」
泣く姿に笑いながら、私の手にあるティーカップを机に置き先生はもう一度私を抱きしめる。
そして、泣く子供をあやすように頭を撫でながら時々背中をポンポンっと叩いた。
「四月からは直ぐに仕事だろ?」
「…は…い」
「大変だと思うけど、ゆっくりでいいから頑張れよ。」
「っせ…んせ…」
私が進む進路、それは恵那や他の皆とは違う道で、私は大学では無く就職を選らんだ。
もちろん就職先はあの喫茶店。
働きながら少しずつ資格も取っていくつもりでいる。
大好きな人たちと、大好きなコーヒーの香りに包まれて過ごしていくんだ…。

