「良い奴だよな、あいつ。」
「…は、ぃ」
「大切にしろよ?」
「…ん。は、ぃ…ぐすっ…」
恵那のしてくれた事が嬉しすぎて、涙が止まらない。
次から次へと涙が溢れてくる。
「ははっ、泣きすぎだろぉ?」
泣きじゃくる私を見て、先生は抱きしめていた手を頬へと動かす。
優しい笑顔に、暖かい手。
全てが私の身体と心を包んでいく。
胸がキュンとして、喉の奥がぎゅーっと締め付けられる。
「なぁ伊緒。」
「…はい?」
涙を拭う手を止め、先生が私にいたずらっぽく笑いかけてくる。
「追い打ちかけるかもしれないけど…渡したいものがあるんだ。」
「ふぇ?」
「ちょっと待ってろ」と言い、先生はドアの前から部屋の奥へと入っていく。
放心状態の私をよそに、すたすたと。
「はいこれ、どーぞ。」
そして、少し大きめの紙袋を手に戻ってきてから、それをソファーの前にある机へと置いた。
「え…あ…えーっと?」
「開けてみ?」
「っはい。」
先生に言われるがまま紙袋へと手を伸ばしていく。
茶色い紙袋の中には薄ピンクの包装用紙に包まれた大きな箱。
何が入っているのだろうという疑問を小さくしていくように、一つずつ包装用紙のテープを剥いでいった。

