窓側の後ろから二番目の席。
ここからはグラウンドも教室も見えて居心地がいい。
それに、後ろから斜め前の席に座る恵那を見るのが楽しかったりする。
ついつい進藤先生を目で追ってしまっている所とか、目があってしまった時のリアクションとか。
見ているとニヤニヤが止まらない。
「では皆さん。改めて卒業おめでとうございます。」
…それが今日で見納めかと思うと、やっぱり寂しいな。
恵那に向けていた視線を外へと向け、ゆっくりと長い息を吐く。
そして、吐き終えてから進藤先生の方へと視線を変えた。
優しく笑う進藤先生の周りには、温かい雰囲気が漂っている。
「このクラスは、僕が教師になって初めて担任を任されたクラスです。初めのうちは解らない事も多く、きっと皆さんには沢山の迷惑をかけてしまった事でしょう。」
迷惑なんて…そんな事ない。
進藤先生は最初から最後まで完璧な担任だった。
それは私だけじゃなくクラスの皆が思っていること。
「新学年が始まる前は緊張が大きすぎて、時間が経つのが遅かったのを今でも覚えています。
…でも、始まってから終わりを迎えるまでは本当に早かった。」
話しを聞いていくうちに、胸の辺りがキュウッと締め付けられるような温かさが帯びてくる。
進藤先生も私達と同じ気持ちでいてくれたんだ…。

